薬の歴史は、重要な人類史と言っても過言ではありません。医療の中でも特に重要な分野が薬に関することですが、人類の健康、身体の構造、またライフスタイルに関わる重要なこととして、世界中で人々が研究し、人々の生活に浸透していました。人間にとって一番関心のある分野であるといっても良いでしょう。その起源は諸説色々あります。日本と他の国との違いなどもあります。西洋医学、東洋医学、インド医学(アーユルヴェーダ)、チベット医学という世界4大医学によっても、それぞれの培ってきた流れは奥深いです。
薬学の歴史は、薬学部に行けばまず最初に教わることとなるジャンルです。これを知っているか知っていないかで、現在の薬学の状況に関しても把握できるかできないかが変わってくるからです。薬の歴史に関しては、薬剤師志望の学生を教育するためには最初にやっておかなければならない基礎的なことだと言えるでしょう。薬というのは、紀元前の時代からすでに存在はしていました。最初はただ薬草を煎じて飲むといった原始的なものだったわけですが、時代が進むにつれて、複雑さを増してきています。
薬学の起源のいわれは、薬草の利用から始まっています。薬草の利用は人類史の初期の頃からあったとされており、確実にその存在が確認する事が出来るのは、紀元前5000年前以後ではないかとされるほど、薬学の歴史は古いです。この薬学の歴史において、経験や合理的な理由、もしくは科学的な根拠に基づいて行っていたものだけではなく、宗教的観念あるいは魔術的な観念を基にした製薬作りが行われていました。この経験や合理的、科学的根拠に基づくものと宗教的観念あるいは魔術的な観念に基づいて作られたもの、これら2つの大きな流れが習合したり、対立する事で発達していきました。