薬学の起源のいわれは、薬草の利用から始まっています。薬草の利用は人類史の初期の頃からあったとされており、確実にその存在が確認する事が出来るのは、紀元前5000年前以後ではないかとされるほど、薬学の歴史は古いです。この薬学の歴史において、経験や合理的な理由、もしくは科学的な根拠に基づいて行っていたものだけではなく、宗教的観念あるいは魔術的な観念を基にした製薬作りが行われていました。
この経験や合理的、科学的根拠に基づくものと宗教的観念あるいは魔術的な観念に基づいて作られたもの、これら2つの大きな流れが習合したり、対立する事で発達していきました。古い時代にあった薬品は内服や外用の他に、御守りのように身に付けて使用する事で、病気をもたらす邪悪な気を祓うとされ利用されてきた背景もあります。
日本における歴史は、古くは本草経集注や新修本草などが典薬寮で採用され、天平時代、寛平時代より医療機関の一種として機能しました。また、平安時代には日本最初の薬書も作成され、その後には薬草の和名が定められていき、活用されてきました。